「ブイヨン」と「フォンドヴォー」は同じ調味料じゃないの?味や材料の違いを分析!
ブイヨンとフォンドヴォーは、「どちらもコンソメスープみたいなものなのでは?」という風に違いが分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか?
どちらもフランス料理などで料理のベースとして活用されていますが、使われる材料や適している料理などには違いがあります。
この記事では、材料・作り方・味・用途などのポイントから「ブイヨンとフォンドヴォーにどのような違いがあるのか」を比較していきます。
「それぞれの調味料を代用することができるのか」についても紹介するので、料理を作る時の参考にしてみてください。
ブイヨンとは何か?
ブイヨンとは、肉や骨、香味野菜などを水で煮込み、旨味や香りを引き出した「だし」または「スープのベース」のことです。
フランス料理を始め、スープ、煮込み料理、ソースなど幅広い料理に活用されています。
「ブイヨン(bouillon)」はフランス語で「煮る」「沸騰させる」といった意味に由来する言葉です。
鶏肉や牛肉などの肉類、骨、香味野菜(玉ねぎ・にんじん・セロリなど)をじっくり煮込み、素材の旨味を液体に移して作ります。
ブイヨンの特徴は、料理の土台となる旨味を加えやすく、さまざまな料理に使いやすいことです。
例えば、スープ、ポトフ、リゾット、煮込み料理などに使うことで、料理全体にコクや奥行きを加えることができます。
また、日本では「ブイヨン」という言葉が、固形や顆粒タイプの洋風だしを指して使われることも少なくありません。
市販のブイヨンには塩分や調味料が加えられている商品も多いため、本来のブイヨンとは多少意味合いが異なる場合があります。
なお、ブイヨンは完成したスープそのものを指す場合もありますが、一般的には「料理に使うための洋風だし」と考えると分かりやすいでしょう。
このようにブイヨンは「肉や野菜などの旨味を抽出した比較的汎用性の高いだし」であり、様々な洋食の味を支える存在だということです。
フォンドヴォーとは何か?
フォンドヴォーとは、仔牛の骨や肉、香味野菜などをじっくり煮込んで作る、フランス料理の代表的な「フォン(だし)」の一種です。
特に肉料理のソースや煮込み料理のベースとして使われ、料理に濃厚な旨味と深いコクを加えます。
「フォンドヴォー(fond de veau)」はフランス語で、「fond」は料理の土台となるだし、「veau」は仔牛を意味します。(つまり、直訳すると「仔牛のだし」という意味になります。)
一般的なフォンドヴォーは、仔牛の骨や肉をオーブンなどでしっかり焼き、玉ねぎ・にんじん・セロリといった香味野菜とともに長時間煮込んで作ります。
材料をあらかじめ焼くことで香ばしさや褐色の色合いが生まれ、ブイヨンと比べても濃厚で力強い風味になりやすいのが特徴です。
フォンドヴォーそのものをスープとして飲むというよりは、料理の味に奥行きを与えるためのベースとして使われることが多いです。(例えば、ステーキやハンバーグなどに合わせる肉料理用のソース、ビーフシチューなどの煮込み料理に使われます。)
また、日本では缶詰、レトルト、ペースト、顆粒などの市販品も販売されており、家庭でも比較的手軽にフォンドヴォーのコクを料理に加えることができます。
なお、フォンドヴォーは「フォン」そのものを意味する言葉ではなく、数あるフォンの中でも仔牛を主材料とするものです。
鶏を使った「フォン・ド・ヴォライユ」や魚を使った「フュメ・ド・ポワソン」など…フランス料理には材料に応じて様々な種類のだしがあります。
このようにフォンドヴォーは「仔牛の旨味と香ばしさを凝縮した、濃厚でコクのある料理用のだし」と考えると分かりやすいでしょう。
ブイヨンとフォンドヴォーの明確な違いは何なのか?
ブイヨンとフォンドヴォーの違いを一言でいうと、ブイヨンは肉や野菜などを煮出して作る「だし・スープのベース」で、フォンドヴォーは主に仔牛の骨や肉、香味野菜などから作る濃厚な「フォン(だし)」の一種です。
ブイヨンは、肉や骨、香味野菜などを煮込んで旨味を抽出したもので、比較的すっきりとした味わいが特徴です。(スープや煮込み料理など、幅広い料理のベースとして使われます。)
一方、フォンドヴォーの「ヴォー(veau)」はフランス語で「仔牛」を意味しており、仔牛の骨や肉、香味野菜などを焼いてから長時間煮込み、濃厚な旨味とコクを引き出すのが一般的です。(主に肉料理のソースや煮込み料理のベースとして使われます。)
どちらも料理に旨味やコクを加えるために活用されますが、材料や用途などには様々な違いがあるので、一つずつチェックしていきましょう。
「材料」の違い
ブイヨンは、様々な材料(牛肉、鶏肉、骨、玉ねぎ、にんじん、セロリなど)から作ることができます。
一方のフォンドヴォーは、「veau」が仔牛を意味するように「仔牛の骨や肉を中心に使うこと」が基本です。(そこへ香味野菜などを加えて煮込みます。)
・ブイヨンは「材料の選択肢が比較的幅広い」
・フォンドヴォーは「仔牛を中心としただし」
上記のように材料の幅が広いかどうかの差があると考えておくと分かりやすいでしょう。
「作り方」の違い
ブイヨンは、肉や骨、野菜などを水から煮込み、素材の旨味を抽出して作ります。
比較的澄んだ味わいを目指すため、アクを取りながら穏やかに煮込むのが一般的です。
フォンドヴォーでは、仔牛の骨や肉、香味野菜などをあらかじめしっかり焼いてから煮込むことが多いです。
この「焼く」という工程によって香ばしさや褐色の色合いが加わり、ブイヨンよりも濃厚で複雑な風味が生まれます。
「味や風味」の違い
ブイヨンは、素材の旨味を感じながらも比較的すっきりとした味わいで、他の食材の味を邪魔しにくいのが特徴です。
そのため、様々な料理(スープ、ポトフ、リゾットなど)に使いやすくなっています。
これに対してフォンドヴォーは、仔牛由来の旨味に加えて、焼いた骨や肉、香味野菜などから生まれる濃厚なコクと香ばしさが特徴です。
ソースに少量加えるだけでも、肉料理に奥行きのある味わいを与えることができます。
「色や見た目」の違い
ブイヨンは使用する材料によって異なりますが、基本的に比較的明るい色(淡い黄色や薄い褐色など)をしています。
一方、一般的なフォンドヴォーは材料を焼いてから煮込むため、濃い褐色になりやすいのが特徴です。
ただし、料理の世界では調理法によって色の淡いフォンも存在するため、「フォンは全て茶色」と考えないようにするとよいでしょう。
「用途」の違い
ブイヨンは汎用性が高く、幅広い料理(スープ、ポトフ、煮込み料理、リゾット、ピラフなど)のベースとして活用することが可能です。
その一方で、フォンドヴォーは特に肉料理のソースや濃厚な煮込み料理に向いています。
例えば、ステーキやハンバーグのソース、ビーフシチューなどに使うことで、肉の旨味をさらに引き立てることができるでしょう。
「料理での役割」の違い
これらの調味料は、どちらも料理に旨味を加えるものですが、その役割にも少し違いがあります。
ブイヨンは、料理全体を支える「基本のだし」として使われることが多く、素材の味を生かしながらベースとなる旨味を加えます。
一方、フォンドヴォーは、料理に「より濃厚なコクや深みを与えるための土台」として使われることが多く、特にソース作りでは重要な役割を果たしています。
「2種類の調味料の具体的な特徴をまとめた比較表」は、以下の通りです。
| 比較項目 | ブイヨン | フォンドヴォー |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 肉・骨・野菜などから取るだし | 仔牛を中心に作るフォンの一種 |
| 主な材料 | 牛肉・鶏肉・骨・香味野菜など | 仔牛の骨・肉・香味野菜など |
| 下ごしらえ | 材料をそのまま煮ることも多い | 骨や肉を焼いてから煮込むことが多い |
| 味わい | 比較的すっきりしている | 濃厚でコクが深い |
| 香り | 穏やかで幅広い料理に合わせやすい | 香ばしく力強い風味がある |
| 色 | 淡い黄色~薄い褐色など | 濃い褐色になりやすい |
| 主な用途 | スープ・煮込み・リゾットなど | 肉料理のソース・煮込みなど |
| 料理での役割 | 料理全体のベースとなる旨味を加える | ソースなどに濃厚な旨味と奥行きを加える |
| そのまま飲む用途 | スープとして使われる場合もある | 基本的には料理のベースとして使う |
このようにブイヨンとフォンドヴォーは似ているようでいて、役割が異なっています。
簡単に覚えるなら、「幅広い洋食のベースとして使いやすいのがブイヨン」「仔牛を中心に作り、肉料理やソースに濃厚なコクを加えるのがフォンドヴォー」と整理すると分かりやすいでしょう。
ブイヨンとフォンドヴォーは代用できる?
ブイヨンとフォンドヴォーは、どちらも料理に旨味やコクを加えるための「だし」であるため、料理によっては代用することができます。
ただし、これら2種類の調味料は「味の濃さ、風味、得意とする用途」が異なるため、完全に同じ仕上がりになるというわけではありません。
特に「フォンドヴォー特有の濃厚なコクや香ばしさ」をブイヨンだけで再現するのは難しいでしょう。
フォンドヴォーの代わりにブイヨンは使える?
フォンドヴォーがない場合、料理によってはブイヨンで代用することができます。
例えば、ビーフシチュー、ハンバーグソース、洋風の煮込み料理などであれば、牛肉系のブイヨンを使うことで、ある程度の旨味を補うことができます。
ただし、ブイヨンはフォンドヴォーよりも味わいが軽く、香ばしさや重厚なコクが弱いため、そのまま置き換えるとあっさりした仕上がりになりやすいです。
よりフォンドヴォーに近づけたい場合は、ブイヨンに次のような材料を組み合わせる方法があります。
・赤ワイン
・炒めた玉ねぎ
・バター
・トマトペースト
・デミグラスソース
・肉を焼いたときに出る肉汁
このような材料を加えて煮詰めることで、ブイヨンだけを使う場合よりも濃厚で奥行きのある味に仕上げやすくなります。
ブイヨンの代わりにフォンドヴォーは使える?
反対に、ブイヨンの代わりにフォンドヴォーを使うこともできますが、こちらは料理を選びます。
フォンドヴォーは味や香りが濃厚なので、ビーフシチューや肉の煮込み料理などには使いやすい一方、野菜スープやあっさりしたリゾットなどに使うと、フォンドヴォーの風味が強く出すぎる場合があるでしょう。
そのため、ブイヨンの代用としてフォンドヴォーを使う場合は、水や湯で薄めたり、使用量を控えめにしたりするのがおすすめです。
どのような料理なら代用しやすい?
ブイヨンとフォンドヴォーは、特に肉を使った濃厚な料理では比較的代用しやすいです。
| 料理 | 代用しやすさ | ポイント |
|---|---|---|
| ビーフシチュー | ◎ | どちらも使いやすい |
| ハンバーグソース | ◎ | ブイヨンなら煮詰めてコクを補う |
| 牛肉の煮込み | ◎ | フォンドヴォーの風味と相性がよい |
| カレー | ○ | 味の違いが目立ちにくい |
| ハヤシライス | ○ | フォンドヴォーのほうが濃厚になりやすい |
| リゾット | △ | フォンドヴォーでは濃すぎる場合がある |
| 野菜スープ | △ | ブイヨンのほうが使いやすい |
| あっさりしたスープ | △ | フォンドヴォーは主張が強くなりやすい |
つまり、濃厚な肉料理では比較的代用しやすく、繊細なスープや軽い料理では代用しにくいと考えると分かりやすいでしょう。
また、市販品の場合は商品によって濃さや塩分が大きく異なるため、代用するときは単純に同量を置き換えるのではなく、味を確認しながら少しずつ加えることが大切です。
結論として、ブイヨンとフォンドヴォーは「代用はできるが、仕上がりは同じにはならない」という関係だということです。
手軽さを重視するなら「ブイヨン」、本格的なコクや肉料理との相性を重視するなら「フォンドヴォー」を選ぶとよいでしょう。
市販のブイヨンとフォンドヴォーにも違いはあるの?
スーパーなどでは、ブイヨンもフォンドヴォーも手軽に使える市販品が販売されています。
ただし、「市販のブイヨンは洋風だしとして日常的に使いやすい商品が多い」のに対し、「市販のフォンドヴォーは肉料理やソースに濃厚なコクを加えるための商品が多い」という違いがあります。
また、家庭で一から作る場合とは異なり、市販品には塩分、調味料、香辛料などが加えられていることもあるため、商品ごとの特徴を確認して使うようにしましょう。
市販のブイヨンは「固形・顆粒タイプが多い」
市販のブイヨンは、家庭で使いやすいように多種多様な形で販売されています。
・固形
・顆粒
・粉末
・ペースト
特に固形タイプや顆粒タイプは、お湯に溶かすだけで手軽に洋風のだしを作れるため、幅広い料理(スープ、ポトフ、カレー、シチュー、リゾットなど)に使えます。
商品によっては、肉や野菜のエキスだけでなく、食塩や砂糖、香辛料、酵母エキスなどが加えられており、家庭で作るブイヨンよりもしっかりと味が付いていることがあります。
そのため、市販のブイヨンを使う場合は、追加する塩や調味料を控えめにしながら味を調整するといいでしょう。
市販のフォンドヴォーは「濃縮タイプも多い」
市販のフォンドヴォーは、主に以下のような形式で販売されています。
・缶詰
・レトルト
・液体
・ペースト
・濃縮タイプ
ブイヨンよりも濃厚な味わいの商品が多いため、肉料理にコクを加えたい時(ハンバーグソース、ステーキソース、ビーフシチューなど)に便利です。
特に濃縮タイプは少量でも味に深みを加えやすいため、本格的な洋食の味わいを家庭で再現したい場合に向いています。
一方で、商品によってはそのまま使えるものと、水やワインなどで希釈して使うものがあるっため、使用する際はパッケージに記載されている分量や使い方などを確認しておきましょう。
市販品では「本来の意味」と少し異なることもある
注意したいのは、市販の商品名として使われる「ブイヨン」や「フォンドヴォー」が、必ずしも伝統的な製法そのものを意味するとは限らないことです。
例えば「ブイヨン」と表示された商品でも、肉や野菜のエキスに調味料を加えた洋風調味料として作られている場合があります。
フォンドヴォーについても、仔牛の骨や肉を長時間煮出して作ったものだけでなく、エキスや調味料などを組み合わせてフォンドヴォー風のコクを再現した商品も存在します。
そのため、市販品を選ぶ場合は商品名だけで判断するのではなく、「原材料、濃縮の有無、塩分、使用方法など」を確認しておくと違いが分かりやすくなるでしょう。
市販品のブイヨンとフォンドヴォーの特徴を簡単に比較した一覧表は、以下の通りです。
| 比較項目 | 市販のブイヨン | 市販のフォンドヴォー |
|---|---|---|
| 主な形状 | 固形・顆粒・粉末・ペーストなど | 液体・缶詰・レトルト・ペーストなど |
| 味わい | 比較的あっさり | 濃厚でコクがある |
| 使いやすさ | 日常料理に使いやすい | 肉料理や本格的な洋食に向く |
| 主な用途 | スープ・煮込み・カレー・リゾットなど | ソース・ビーフシチュー・肉の煮込みなど |
| 味付け | 塩分や調味料入りの商品が多い | 濃縮・調味済みの商品もある |
| 使用量 | 比較的多めに使いやすい | 少量でもコクを出しやすい |
このように、市販のブイヨンは「手軽に使える万能な洋風だし」、市販のフォンドヴォーは「肉料理に本格的なコクを加えるための濃厚なベース」という違いがあります。
・普段のスープや煮込み料理の味を調整する場合は「ブイヨン」
・ハンバーグなどを濃厚に仕上げたい場合は「フォンドヴォー」
上記のように料理に合わせて2種類の調味料を使い分けるのがベストでしょう。
ブイヨンとフォンドヴォーはどちらを使えばいい?
ブイヨンとフォンドヴォーのどちらを使うべきかは、「作りたい料理の種類は何か」「どの程度のコクを出したいか」によって決まります。
簡単にいうと、「スープや軽めの煮込みなど幅広く使いたいならブイヨン」「肉料理や濃厚なソースに深いコクを加えたいならフォンドヴォー」がおすすめです。
スープや日常的な料理には「ブイヨン」
ブイヨンは比較的すっきりした味わいで、他の食材の風味を邪魔しにくいため、様々な料理に使いやすいのが特徴です。
【ブイヨンに向いている主な料理】
・野菜スープ
・ポトフ
・リゾット
・ピラフ
・カレー
・シチュー
・軽めの煮込み料理
特に「料理全体に自然な旨味を加えたい」「食材の味を生かしたい」という場合には、ブイヨンを選ぶと使いやすいでしょう。
また、市販の商品では固形や顆粒タイプも多いため、家庭料理で手軽に使いたい場合にも向いています。
肉料理や濃厚なソースには「フォンドヴォー」
フォンドヴォーは、仔牛の骨や肉などから取った濃厚なフォンで、肉料理に深いコクや香ばしさを加えたい場合に適しています。
【フォンドヴォーに向いている主な料理】
・ステーキソース
・ハンバーグソース
・赤ワインソース
・ビーフシチュー
・ハヤシライス
・牛肉の煮込み料理
・デミグラス系のソース
特に「洋食店のような濃厚な味わいにしたい」「肉の旨味をさらに強調したい」という場合には、フォンドヴォーを使うと効果的です。
迷った場合:「料理の軽さと濃厚さで選ぶ」
ブイヨンとフォンドヴォーで迷った場合は、料理を「軽く仕上げたいか」「濃厚に仕上げたいか」で考えると選びやすくなります。
| 作りたい料理・目的 | おすすめ |
|---|---|
| あっさりしたスープ | ブイヨン |
| 野菜の味を生かした料理 | ブイヨン |
| リゾットやピラフ | ブイヨン |
| 日常的な洋風煮込み | ブイヨン |
| 肉料理のソース | フォンドヴォー |
| ビーフシチュー | フォンドヴォー |
| 濃厚なハヤシライス | フォンドヴォー |
| 本格的なコクを出したい料理 | フォンドヴォー |
このようにブイヨンを加えることであっさりした仕上がりになり、フォンドヴォーを加えることで濃厚な仕上がりになるでしょう。
2種類の調味料を「組み合わせる方法」もある
料理によっては、ブイヨンとフォンドヴォーのどちらか一方だけを使う必要はありません。
例えば、ブイヨンをベースにした煮込み料理へ少量のフォンドヴォーを加えると、ブイヨンの使いやすさを残しながら、肉由来の深いコクをプラスすることが可能です。
反対に、フォンドヴォーの風味が強すぎる場合には、ブイヨンや水などで調整することで、料理全体のバランスを取りやすくなります。
そのため、「ブイヨンかフォンドヴォーか」という二者択一ではなく、料理によって両方を使い分けたり組み合わせたりするのも一つの方法です。
市販品の場合:「塩分や濃縮度も確認しておく」
市販のブイヨンやフォンドヴォーを使う場合は、商品ごとの塩分や濃縮度にも注意しましょう。
同じ「ブイヨン」「フォンドヴォー」という名称でも、商品によって味の濃さや調味の程度は異なります。
特にフォンドヴォーには濃縮タイプもあるため、最初から大量に加えるのではなく、少量ずつ味を確認しながら使うのがおすすめです。
結論として、「普段のスープや幅広い料理に使うならブイヨン」、「肉料理や濃厚なソースに本格的なコクを加えるならフォンドヴォー」を選ぶといいでしょう。
・料理の土台となる穏やかな旨味が欲しいなら「ブイヨン」
・肉の旨味を生かした力強いコクが欲しいなら「フォンドヴォー」
上記のように覚えておくことで、それぞれの調味料を料理に合わせて選びやすくなるはずです。
Q&A(よくある疑問)
ここでは、ブイヨンとフォンドヴォーについての「よくある疑問」をQ&A形式で紹介します。
Q1.ブイヨンとフォンドヴォーは同じものですか?
いいえ、同じものではありません。
ブイヨンは、肉や骨、香味野菜などを煮出して作る「だし」や「スープのベース」です。
一方、フォンドヴォーは仔牛の骨や肉などを中心に作る「フォン」の一種で、特に肉料理のソースや煮込み料理に使われます。
・ブイヨンは「幅広い料理に使いやすい洋風だし」
・フォンドヴォーは「仔牛の旨味を生かした濃厚なだし」
簡単にいえば、上記のような違いがあると考えておくといいでしょう。
Q2.ブイヨンとフォンドヴォーはどちらの方が味が濃いですか?
一般的には、フォンドヴォーの方が濃厚でコクのある味わいになりやすいです。
フォンドヴォーは、仔牛の骨や肉、香味野菜などを焼いてから長時間煮込むことが多く、香ばしさや深い旨味があります。
一方、ブイヨンは比較的すっきりした味わいで、スープなど幅広い料理に合わせやすいのが特徴です。
ただし、市販品の場合は濃縮度、塩分、調味の程度などによって味の強さが異なるので、味を確認しながら少量ずつ使用するのがいいでしょう。
Q3.ブイヨンの代わりにコンソメを使えますか?
家庭料理では、料理によっては代用できます。
ただし、市販のコンソメは「ブイヨンよりも塩分や調味料がしっかり加えられている商品」が多いため、塩やほかの調味料の量を減らして調整するようにしましょう。
・ブイヨンは「だし」
・コンソメは「ブイヨンなどを元に仕上げた完成したスープ」
ブイヨンとコンソメも混同されやすい関係にありますが、上記のような違いがあります。
Q4.フォンドヴォーの代わりにデミグラスソースを使えますか?
料理によっては使えますが、完全に同じものではありません。
フォンドヴォーは料理のベースとなる「だし」であるのに対して、デミグラスソースはすでに味や濃度を整えた「ソース」です。
そのため、デミグラスソースで代用すると、フォンドヴォーを使った場合よりも味付けが濃くなりやすいので、使用量を調整するようにしましょう。
Q5.フォンドヴォーは牛肉から作るのですか?
正確には、主に仔牛から作ります。
「フォンドヴォー(fond de veau)」の「veau」はフランス語で「仔牛」を意味しており、フォンドヴォーとは基本的に仔牛の骨や肉などから作るフォンのことを指しています。
一般的な成牛の牛肉を使っただし全てをフォンドヴォーと呼ぶわけではありません。
Q6.フォンとフォンドヴォーは同じ意味ですか?
同じ意味ではありません。
フォンは「料理のベースとなるだしの総称」で、フォンドヴォーは「その中の一種類」です。
仔牛を使うフォンドヴォーの他にも、主に以下のような種類のフォンが存在します。
・鶏などを使う「フォン・ド・ヴォライユ」
・野菜などを使う「フォン・ド・レギューム」
・魚介類などを使う「フュメ・ド・ポワソン」
つまり、「フォンドヴォーはフォンだが、フォンが全てフォンドヴォーというわけではない」という関係だということです。
Q7.市販のブイヨンとフォンドヴォーは開封後どのくらい保存できますか?
保存期間は商品の形状やメーカーによって異なります。
固形、顆粒タイプ、液体タイプ、ペーストタイプ、レトルトタイプなどで保存方法が異なっているため、必ず商品のパッケージに記載されている保存方法と賞味期限を確認してください。
特に液体やペースト状の商品は、開封後に冷蔵保存が必要になる場合があります。
まとめ
ブイヨンとフォンドヴォーは、どちらも料理に旨味やコクを加えるための「だし」ですが、様々な違いがあります。
ブイヨンは、肉や骨、香味野菜などを煮出して作る比較的使いやすい洋風だしです。(スープ、ポトフ、リゾット、煮込み料理など幅広い料理に向いています。)
一方、フォンドヴォーは、主に仔牛の骨や肉、香味野菜などから作る「フォン」の一種です。(濃厚な旨味とコクがあり、ステーキやハンバーグのソース、ビーフシチューなど、肉料理を本格的な味わいに仕上げたい時に適しています。)
2種類の調味料の具体的な特徴を簡単にまとめると、以下のような感じになります。
| 比較項目 | ブイヨン | フォンドヴォー |
|---|---|---|
| 基本的な位置づけ | だし・スープのベース | 仔牛から取るフォンの一種 |
| 主な材料 | 肉・骨・香味野菜など | 仔牛の骨・肉・香味野菜など |
| 味わい | 比較的すっきり | 濃厚でコクが深い |
| 主な用途 | スープ・リゾット・煮込みなど | 肉料理のソース・煮込みなど |
| 向いている料理 | 軽め~幅広い洋食 | 濃厚な肉料理 |
| そのまま飲む用途 | 味を調えれば可能 | 基本的には料理のベースとして使用 |
また、ブイヨンとフォンドヴォーは完全に対になる言葉ではありません。(フォンドヴォーは「フォン」の一種であり、フォンには鶏、魚、野菜などを使った様々な種類があります。)
ブイヨンとフォンドヴォーは料理によって代用できる場合もありますが、同じ味にはならないため、以下のように使い分けるのがおすすめです。
・日常的なスープや幅広い料理には「ブイヨン」
・肉料理に濃厚なコクや奥行きを加えたい場合には「フォンドヴォー」
「幅広い料理の土台として使いやすいのがブイヨン」「仔牛の旨味を生かし、肉料理に深いコクを加えるのがフォンドヴォー」と覚えておけば、両者の違いを迷わず判断しやすくなるでしょう。

