「エッグタルト」と「パステル・デ・ナタ」は同じじゃないの?明確な違いを教えます
「エッグタルト」と「パステル・デ・ナタ」は、どちらも卵をたっぷり使った人気のタルト菓子です。
これらは見た目が似ているため、「同じものなの?」「名前が違うだけ?」と疑問に感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
実は、エッグタルトは卵入りのタルト全般を指すことが多いのに対し、パステル・デ・ナタはポルトガル発祥の伝統菓子という違いがあるのです。
そして、生地、焼き方、味わい、食感などの細かい部分にもそれぞれ異なる特徴があります。
この記事では、エッグタルトとパステル・デ・ナタの違いを比較し、それぞれの特徴や見分け方、味の違い、どんな人におすすめなのかまで詳しく解説します。
2つのタルトの違いを熟知しておくことで、自分好みのタルト選びができるようになるでしょう。
もくじ
エッグタルトとは何か?
エッグタルトとは、卵・牛乳・砂糖などで作ったカスタード液をタルト生地やパイ生地に流し込み、オーブンで焼き上げたお菓子です。
英語では「Egg Tart(エッグタルト)」と呼ばれ、その名の通り「卵のタルト」という意味があります。
最大の特徴は、サクサクとした生地と、なめらかで優しい甘さのカスタードフィリングの組み合わせです。
焼きたては香ばしく、冷やして食べても美味しいため、おやつやデザートとして世界中で親しまれています。
エッグタルトの起源はヨーロッパにあると考えられていますが、現在広く知られているエッグタルトは、ポルトガルの伝統菓子「パステル・デ・ナタ」がアジアへ伝わったことで独自の進化を遂げたものです。
特に香港やマカオでは独自のアレンジが加えられ、現在では「香港式エッグタルト」や「マカオ式エッグタルト」として世界中で人気を集めています。
そして、一口にエッグタルトといっても、地域によって見た目や味わいなどが異なるのも特徴です。
・香港式エッグタルト:クッキー生地やパイ生地を使い、表面はなめらかで均一な焼き色が特徴。
・マカオ式エッグタルト:ポルトガルのパステル・デ・ナタの影響を受けており、香ばしい焼き色とサクサクのパイ生地が特徴。
・ポルトガル式(パステル・デ・ナタ):高温で焼き上げることで、表面にこんがりとした焦げ目が付き、香ばしさが際立ちます。
このように「エッグタルト」は一つのお菓子を指すというよりも、卵入りの焼きタルト全般を表す名称として使われることが多いのです。
パステル・デ・ナタとは何か?
パステル・デ・ナタとは、ポルトガル発祥の伝統的なエッグタルトのことです。
ポルトガル語で「Pastel de Nata(パステル・デ・ナタ)」と表記され、「クリームのタルト」や「カスタードタルト」といった意味があります。
最大の特徴は、何層にも折り重なったサクサクのパイ生地と、高温で焼き上げることで生まれる香ばしい焼き色です。
表面には黒っぽい焦げ目が付くこともありますが、これは焼き過ぎではなく、本場ならではの美味しさの証とも言われています。
パステル・デ・ナタの起源は「18〜19世紀頃のポルトガル」まで遡ります。
当時、修道院では卵白を洗濯のりやワインの清澄などに使うことが多く、余った卵黄を有効活用するためにお菓子作りが盛んに行われていました。
その中で誕生したのが「現在のパステル・デ・ナタの原型」だとされています。
現在でもポルトガルでは国民的なお菓子として親しまれており、街のパン屋やカフェなどでは焼きたてを楽しむことができます。
パステル・デ・ナタには、一般的なエッグタルトとは異なる特徴がいくつかあります。
・何層にも重なったパイ生地で軽やかな食感を楽しめる
・高温・短時間で焼き上げるため、表面に香ばしい焼き色が付く
・カスタードは濃厚でコクがありながら、甘さは比較的控えめ
・焼きたては外側がサクサク、中はとろりとした食感になる
この香ばしさと食感のコントラストこそが、パステル・デ・ナタならではの魅力だと言えるでしょう。
そして、本場ポルトガルでは、焼きたてのパステル・デ・ナタにシナモンパウダーや粉砂糖を軽く振りかけて食べるのが定番です。(シナモンの豊かな香りがカスタードの甘みを引き立て、より本格的な味わいを楽しめます。)
また、エスプレッソコーヒーと一緒に味わることも多く、ポルトガルのカフェ文化を代表する組み合わせとして親しまれています。
このようにパステル・デ・ナタはエッグタルトの一種でありながら、歴史、製法、味わいに独自の個性を持つ伝統菓子なのです。
エッグタルトとパステル・デ・ナタの違いを徹底比較
エッグタルトとパステル・デ・ナタは見た目がよく似ていますが、発祥、位置づけ、生地、焼き方、味わいなどに違いがあります。
この項目では、「2つのデザートの具体的な違い」は何なのかを細かくチェックしていきましょう。
最大の違いは「総称」と「伝統菓子」という位置づけ
最も大きな違いは、エッグタルトは卵を使ったタルト全般を指す名称であるのに対し、パステル・デ・ナタはその中の一種類であるという点です。
つまり、「パステル・デ・ナタはエッグタルトの一種」ですが、「エッグタルト=すべてパステル・デ・ナタ」というわけではありません。
生地や焼き方にも違いがある
エッグタルトは地域やお店によって生地が異なり、パイ生地だけでなく、サクッとしたクッキー生地が使われることもあります。
一方、パステル・デ・ナタは何層にも折り重なったパイ生地を使うのが特徴です。(また、高温のオーブンで一気に焼き上げるため、表面には黒っぽい焼き色や焦げ目が付き、香ばしい風味が生まれます。)
味わいや食感も異なる
エッグタルトは、なめらかなカスタードの甘みを楽しめるものが多く、比較的優しい味わいです。
それに対してパステル・デ・ナタは、カスタードのコクに加えて香ばしさが際立ち、「サクサクのパイ生地」と「とろりとしたフィリング」のコントラストが魅力です。
楽しみ方も少し違う
エッグタルトは地域によって様々なアレンジがあり、幅広い味わいを楽しめます。
一方、パステル・デ・ナタは本場ポルトガルの伝統的な製法や風味を大切にしており、焼きたてを味わったり、シナモンや粉砂糖を振りかけたりする食べ方も親しまれています。
「2種類のデザートの具体的な特徴を比較した一覧表」は、以下の通りです。
| 項目 | エッグタルト | パステル・デ・ナタ |
|---|---|---|
| 位置づけ | 卵入りタルトの総称 | ポルトガル発祥の伝統的なエッグタルト |
| 発祥 | 地域によって様々(香港・マカオなどでも発展) | ポルトガル |
| 生地 | パイ生地やクッキー生地など種類がある | 薄い層が重なったパイ生地 |
| 焼き方 | 比較的均一に焼き上げるものが多い | 高温・短時間で焼き、表面に焦げ目を付ける |
| 表面 | なめらかな焼き色が多い | 香ばしい焼き色や焦げ目が特徴 |
| 味わい | 優しい甘さでクリーミー | コクがあり香ばしい風味 |
| 食感 | なめらかなカスタードが中心 | サクサクのパイととろりとしたカスタード |
| 食べ方 | そのまま食べることが多い | シナモンや粉砂糖をかけることもある |
このように2種類のデザートは共通点が多い一方で、発祥、位置づけ、製法、味わいには明確な違いがあります。
それぞれの特徴を知っておくことで、お店で見かけた時にも選びやすくなるはずです。
なぜエッグタルトとパステル・デ・ナタは混同されやすいの?
エッグタルトとパステル・デ・ナタは、多くの人が「同じお菓子では?」と思うほどよく似ています。
実際、パステル・デ・ナタはエッグタルトの一種であるため、混同されるのは自然なことだと言えるでしょう。
ここでは、「2つのタルトが紛らわしくなりやすい理由」が何なのかを紹介していきます。
理由その①:見た目が似ているから
2つのタルトが混同されやすい最も大きな理由は、見た目がよく似ていることにあるでしょう。
どちらも小ぶりのタルト生地に卵入りのカスタードを流し込み、オーブンで焼き上げるため、一見しただけでは区別が付きにくい場合があります。
特に「焼き色が控えめなパステル・デ・ナタ」や、「香ばしく焼き上げたエッグタルト」となると、さらに見た目が近くなるため、お店でも間違えやすくなるでしょう。
理由その②:基本的な材料がほとんど同じだから
どちらも主な材料は、「卵」「牛乳」「砂糖」「パイ生地(またはタルト生地)」…と共通しています。
材料だけを見ると大きな違いがないため、「呼び方が違うだけ」と思われることも少なくありません。
実際には、生地の作り方、焼き方、食感などに差があるのですが、材料だけで判別するのは難しいでしょう。
理由その③:「エッグタルト」が総称として使われることが多いから
「エッグタルト」という名称は、卵入りのタルト全般を指す総称として使われることが多いです。
そのため、パステル・デ・ナタも広い意味ではエッグタルトに含まれています。
例えば、「パン」と「フランスパン」の関係をイメージすると分かりやすいでしょう。
・パン=さまざまな種類を含む総称
・フランスパン=パンの一種
これと同じように、2つのタルトは以下のような関係になっています。
・エッグタルト=卵入りタルト全般
・パステル・デ・ナタ=ポルトガル生まれのエッグタルト
つまり、「エッグタルト:総称」「パステル・デ・ナタ:種類の一つ」だということです。
理由その④:日本では「エッグタルト」という名前の方が知られているから
日本では、「エッグタルト」という名称の方が一般的に知られています。
一方、「パステル・デ・ナタ」は近年になって専門店やベーカリー、カフェなどで見かける機会が増えたものの、まだ名称になじみがない人も少なくありません。
そのため、本来はパステル・デ・ナタであっても、「エッグタルト」として販売・紹介されているケースも見られます。
理由その⑤:香港やマカオを通じて広まった影響もある
パステル・デ・ナタはポルトガルで誕生しましたが、その後、ポルトガルとの歴史的なつながりが深いマカオへ伝わり、さらに独自のアレンジが加えられました。
そのマカオ式エッグタルトが、アジア各地へ広まり、日本でも人気を集めたことで、「エッグタルト」という名称が定着したと考えられています。
このような歴史的な背景も、両者が混同されやすい理由の一つになっていると言ってもいいでしょう。
エッグタルトとパステル・デ・ナタが混同されやすい理由は、次の5つにまとめられます。
・見た目が非常によく似ている
・材料や基本的な作り方が共通している
・パステル・デ・ナタはエッグタルトの一種である
・日本では「エッグタルト」という名称の方が広く浸透している
・マカオ式エッグタルトの普及によって両者のイメージが近くなった
このように2つのタルトには多くの共通点がありますが、「エッグタルトは総称」「パステル・デ・ナタはポルトガル発祥の伝統的なエッグタルト」という違いを理解しておくと、混同しにくくなるはずです。
2種類のタルトの「シーン別おすすめ」
エッグタルトとパステル・デ・ナタはどちらも魅力的なお菓子ですが、味わいや食感などに違いがあるため、好みや食べるシーンに合わせて選ぶようにするといいでしょう。
この項目では、「どのような人やシーンに2つのタルトが向いているのか」を紹介します。
優しい甘さを楽しみたい場合:「エッグタルト」
なめらかなカスタードの風味をじっくり味わいたい方には、エッグタルトがおすすめです。
【エッグタルトがおすすめな人】
・カスタードクリームが好き
・甘めのスイーツを楽しみたい
・柔らかく食べやすい食感が好み
・初めてエッグタルトを食べる
エッグタルトは甘さが比較的まろやかで、卵やミルクの優しい風味を感じられるため、小さなお子さんから大人まで幅広い年代に親しまれています。
香ばしさや本格的な味を楽しみたい場合:「パステル・デ・ナタ」
焼きたての香ばしい風味やサクサクのパイ生地を楽しみたい方には、パステル・デ・ナタがおすすめです。
【パステル・デ・ナタがおすすめな人】
・サクサク食感が好き
・香ばしい焼き菓子が好き
・本場ポルトガルの味を楽しみたい
・コーヒーと一緒に味わいたい
高温で焼き上げた独特の焼き色と、何層にも重なったパイ生地は、一般的なエッグタルトとはひと味違う美味しさがあります。
ティータイムの場合:「どちらもおすすめ」
午後のおやつやティータイムなどには、どちらもぴったりだと言ってもいいでしょう。
エッグタルトは、紅茶やカフェラテと合わせると、まろやかな甘さが引き立ちます。
その一方で、パステル・デ・ナタは、エスプレッソやブラックコーヒーとの相性が良く、香ばしさとほろ苦さのバランスを楽しめます。
飲み物に合わせて、どちらのタルトにするか選ぶのも一つの楽しみ方でしょう。
どちらか迷った場合:「食べ比べて違いを楽しむ」
エッグタルトとパステル・デ・ナタは似ているようで、それぞれに異なる魅力があります。
そのため、どちらか一方を選ぶのではなく、両方を食べ比べて違いを楽しむのもおすすめです。
・生地のサクサク感
・カスタードの濃厚さ
・焼き色による香ばしさ
・甘さの感じ方
実際に食べてみると、上記のような「写真や説明だけでは分からない違い」を実感できるはずです。
「シーン別のおすすめタルト」をまとめてみると、以下のような感じになります。
| シーン・好み | おすすめ |
|---|---|
| 優しい甘さを楽しみたい | エッグタルト |
| なめらかなカスタードが好き | エッグタルト |
| 子どもでも食べやすいものを選びたい | エッグタルト |
| サクサク食感を楽しみたい | パステル・デ・ナタ |
| 香ばしい風味が好き | パステル・デ・ナタ |
| 本場ポルトガルの味を試してみたい | パステル・デ・ナタ |
| コーヒーと一緒に味わいたい | パステル・デ・ナタ |
| 両者の違いを知りたい | 食べ比べがおすすめ |
どちらにも魅力があるため、「こちらのタルトの方が優れている」と一概には言えません。
優しい甘さとなめらかな食感を楽しみたいならエッグタルト、香ばしい焼き色とサクサクのパイ生地を味わいたいならパステル・デ・ナタを選ぶといいでしょう。
ぜひ、その日の気分や好みなどに合わせて選んでみて、それぞれの美味しさを楽しんでみてください。
Q&A(よくある疑問)
この項目では、エッグタルトとパステル・デ・ナタに関しての「よくある疑問」をQ&A形式でまとめています。
Q1.パステル・デ・ナタはエッグタルトの一種ですか?
はい、一種です。
エッグタルトは卵を使ったタルト全般を指す総称であり、パステル・デ・ナタはその中でもポルトガル発祥の伝統的なエッグタルトです。
つまり、「パステル・デ・ナタはエッグタルトに含まれる」けれども、「すべてのエッグタルトがパステル・デ・ナタというわけではない」という関係になります。
Q2.香港式エッグタルトとパステル・デ・ナタは何が違いますか?
主な違いは、生地と焼き方です。
香港式エッグタルトは、表面がなめらかで均一な焼き色になるものが多く、生地はクッキー生地やパイ生地など様々です。
一方、パステル・デ・ナタは何層にも重なったパイ生地を使い、高温で焼くことで表面に香ばしい焦げ目が付きます。
Q3.焦げ目が付いているのは失敗ではないのですか?
いいえ、失敗ではありません。
パステル・デ・ナタの特徴の一つが、高温で焼き上げることによって生まれる香ばしい焼き色です。
黒や茶色の焦げ目は、本場ポルトガルでも一般的で、香ばしさや風味を引き立てる重要なポイントとなっています。
Q4.日本ではどちらの名前で販売されることが多いですか?
「エッグタルト」という名称の方が一般的です。
日本では「エッグタルト」という呼び名が広く浸透しており、パステル・デ・ナタもエッグタルトとして販売されることが多いです。
その一方で、ポルトガル菓子専門店や一部のベーカリーでは、「パステル・デ・ナタ」や「ポルトガル風エッグタルト」と表記されている場合もあります。
Q5.温めて食べると美味しいですか?
はい、軽く温めるとより美味しく楽しめます。
オーブントースターで数分温めると、生地のサクサク感が戻り、焼きたてに近い食感になります。(特にパステル・デ・ナタは、香ばしさがより引き立ち、本場に近い味わいを楽しめます。)
電子レンジだけで温めると生地が柔らかくなりやすいため、トースターを使うようにするといいでしょう。
Q6.コーヒーや紅茶にはどちらが合いますか?
どちらもよく合いますが、おすすめの組み合わせは少し異なります。
エッグタルトは、紅茶、カフェラテ、ミルクティーなどのまろやかな飲み物と好相性です。
一方、パステル・デ・ナタは香ばしい風味を楽しめるため、エスプレッソやブラックコーヒーとの相性が特に良いとされています。
Q8.エッグタルトとパステル・デ・ナタは代用できますか?
基本的には代用できます。
どちらも卵を使ったタルトであるため、おやつやデザートとして置き換えて楽しむことは十分可能です。
ただし、パステル・デ・ナタは香ばしさやサクサク感が特徴なので、本場の風味や食感を楽しみたい場合は、専用の商品を選ぶようにするといいでしょう。
まとめ
エッグタルトとパステル・デ・ナタは、どちらも卵を使った人気のタルト菓子ですが、発祥、製法、味わいなどには以下のような違いがあります。
・エッグタルトは卵入りタルト全般を指す総称
・パステル・デ・ナタはポルトガル発祥の伝統的なエッグタルト
・エッグタルトは地域によってさまざまな種類があり、香港式やマカオ式なども人気
・パステル・デ・ナタは何層にも重なったパイ生地と香ばしい焼き色が特徴
・優しい甘さとなめらかな食感を楽しみたいならエッグタルトがおすすめ
・サクサクのパイ生地と香ばしい風味を味わいたいならパステル・デ・ナタがおすすめ
・「パステル・デ・ナタはエッグタルトの一種」という関係を知ると、両者の違いが理解しやすい
「エッグタルト:カスタード入りタルトの総称」「パステル・デ・ナタ:エッグタルトの一種」と覚えておくといいでしょう。
一見するとよく似ている2種類のタルトではありますが、それぞれに受け継がれてきた歴史、製法、味わいには異なる個性があるということです。
ぜひ機会があれば食べ比べをして、生地の食感、カスタードの風味、焼き色による香ばしさなどの違いを楽しんでみてください。

